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* 住民基本台帳コードがユニークな個人コードとなると、それを基に各種情報を集積するいわゆる、マッチングの可能性が高まる。行政機関においては法律や条例では権限を越えて各種情報を保有し、利用することは認められておらず、特に問題となるとは考えられないが、民間機関等が、この統一コードを軸に各種の個人情報を集大成し、悪用することによって、個人の権利・利益が侵害されるおそれは否定できない。民間機関が行うこのようなマッチング全般を規制する法令は現在のところないため、以下のような対策が必要とされる。

* 民間機関には住民基本台帳コードと本人の結合したデータを提供しない。

* 法令上権限を有しない者は、取引等の条件として住民基本台帳コードの提示を求めない。

* 法令上の権限を有しない者は、住民基本台帳コードを基礎としたデーターべースを構築しない。

 

3−3 情報公開制度への対応

 

1997年12月に行政改革委員会から総理大臣に対して「情報公開制度も確立に関する意見」が報告された。これは、行政改革委員会に対して、期日を指定して、総理大臣に報告することが義務づけられて検討が行われた結果なのである。この意見書でまとめられた情報公開法要綱は、国の従来の情報公開の方法を根本から変えることを要求するような内容をもったものであり、この要綱で情報公開法が制定され、運用されると、行政機関における今までの情報管理は根底から見直されなければならないこととなろう。このことは、新しい情報公開法の運用において行政の情報化の関与、対応が極めて重要になるということを意味するものでもある。この情報公開への対応という重要になりつつある課題は、「行政情報化推進基本計画」の策定段階では、未だ具体的な課題としては想定されていなかったものの1つである。行政の情報化を推進する上で、以下のような事項について検討を進め、この新しい情報公開の考え方に対応することが迫られることとなる。

 

(1)情報公開法の対象情報

国における従来の情報公開の考え方は、公開基準を策定し、公開できる情報を特定するものであったが、新しい情報公開の理念は、開示できない情報を特定し、それ以外は

 

 

 

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